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昭和14/1939
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作詞 野村俊夫
作曲 佐渡暁夫

月に咽ぶか流浪に泣くか
更ける窓辺のバラライカ
可愛いソーニャはハルピン育ち
思い出す故郷あるじゃなし

地位も名誉も儚く消えて
父はシベリア雪の鳥
可愛いソーニャは優しい母の
胸を逸れた逸れ鳥

流れ流れて標を訪ね
泣いて寝た夜のキタイスカヤ
可愛いソーニャはウラジオ訛り
濡れた瞳は海の色
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作詞 若杉雄三郎
作曲 佐々木俊一

日暮れ悲しや国境
雪の道雪の道果ても無い
辿る灯は吹雪に消えた
今宵いずこで仮寝の夢か

黒馬よ寒かろ冷たかろ
泣けてくる泣けてくる愛おしや
手綱引く手を恨までおくれ
胸に切ない轍が軋む

男泣きする宵もある
旅の空旅の空渡り鳥
胸に燃え立つ希望を乗せて
馬車は行く行く吹雪の広野
作詞 松坂直美
作曲 太田畔三郎

黒龍颪身に受けりゃ
駒は嘶き血は躍る
男度胸は鋼の意気と
胸を叩いて高笑い

黒龍千里に日が沈み
鳴るは警備の喇叭の音
誰が歌うか馬賊の歌に
遠い昔も偲ばれる

黒龍凍ればあの丘越えて
橇の鈴さえ身に染みる
故国を離れて生命線を
護る我等の意気高し
作詞 古谷玲児
作曲 佐藤長助

船は港に希望は胸に
煙るマストの朧月
波止場娘の瞳も招く
ああ花の大陸第一歩

揺れるランタン
仄めくジャンク
街の灯りも懐かしや
弾む心に口笛吹いて
ああ花の大陸第一歩

胡弓長閑な茶館の窓に
描く處女地の設計図
燃ゆる想いよ湧き立つ胸よ
ああ花の大陸第一歩
作詞 石松秋二
作曲 能代八郎

雪の鴨緑江国境の空に
死ぬも生きるも二人連れ
今宵夫の身代わり警備
女ながらも銃を執る

「ほんに済まぬ」と
声掛けられて
病める夫に笑い顔
「何のこれしき御国の為」と
握るその手を胸に抱く

揺らぐランプに灯火入れて
「行ってきます」と銃執れば
勤務服着た私の傍で
ポチが尾を振るいじらしさ

凍る吹雪に曝されながら
辿る警備の巡邏線
誉めて下さい身代わり警備
遠い故郷のお父様
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