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昭和14/1939
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作詞 中村伊左治
作曲 鈴木武男

待てど暮らせど来ぬ戦友を
呼べど薄の風ばかり
日暮れりゃ鳥も帰るのに
ああ戦友は帰らぬか

暮れて万里の長江の
水の流れに漂うは
夕べの霧か砲煙か
今宵は月の影も無し

更けて雨降る塹壕に
戦友を思えば眠らりょか
目覚めて歌うその歌も
宵待ち草のやるせなさ
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作詞 北村兼一
作曲 能代八郎

戦死なされた父様の
形見の軍服と軍刀を
前に並べて母様が
読んで下さる父の遺書

聞くも雄々しい母の声
父亡き後は国の為
忠義一途に母護り
強く生きよとただ一語

強くなるよと弟が
健気に言えば母様も
涙湛えて微笑んで
よくぞ言ったと誉められる

同じ私も軍国の
銃後を護る乙女です
泣きはしませぬお母様
父の遺言守ります
作詞 八木沼丈夫
作曲 古関祐而

昨日は敵が寝た家に
今宵一夜は父も寝る
戦後の市はひっそりと
車の軋る音ばかり

日本軍は勇ましい
生きても死んでも戦った
微塵になれど戦った
馬も黙って戦った

耳はガンガンしたけれど
お前の父だ真っ先に
軍刀抜いて右左
斬ってまくったこの腕で

勝った奪った勝鬨だ
天皇陛下万歳だ
お前も拝んだ連隊旗
熱い涙が零れたな

戦死の兵を思う時
胸も裂けるが身一つを
捧げて嬉しつわものだ
国の鎮めのますらおだ

寒くなったよ風邪ひくな
お母様や先生の
仰るとおり勉強だ
御国の為に勉強だ

灯影も暗い蝋燭の
下で一筆走り書き
お婆様にはお前から
妹達にもお前から

今度の山西攻撃は
山と塹壕トーチカに
もぐらの様な敵だから
白兵戦だ突撃だ

手榴弾はポンポンと
花火の様に弾けたよ
迫撃砲はドンガンと
落ちて砕けた跳ね飛んだ

赤い夕陽の落ちて行く
新戦場で長城で
生きているさえ不思議さに
東の方を拝んだな

君は何でも知っている
父は安心しきってる
明日の追撃その前に
君の手紙をまた読んだ
作詞 宮本吉次
作曲 鳴瀬純平

瞼に浮かぶ愛しい吾子の
せめて供養に結ばせた
母が情けの花嫁人形

花嫁人形はなぜ物言わぬ
物は言わねど今日からは
母が許した倅の嫁女

嫁女聞きやれそなたの夫は
過ぎし徐州の戦いに
一番乗りの天晴れ勇士

物は言わねど武人の妻は
きりり心の緒を締めて
一糸乱さぬこの艶姿
作詞 松坂直美
作曲 太田畔三郎

白銀の道は果て無く
駆けて行くよ雪にトロイカ
山陰のあの町指して
鞭は鳴る鞭は鳴る

後ろ影雪に残して
駆けて行くよ月にトロイカ
ペチカ焚き君は待つかよ
鈴が鳴る鈴が鳴る

懐かしの思い出乗せて
駆けて行くよ雪の彼方へ
いつの日に返る思いぞ
消え行くよ消え行くよ
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