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昭和14/1939
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作詞 高橋掬太郎
作曲 明本京静

果て無き広野北満の
山河を慕い遥々と
ああ憧れの
鉄路を急ぐ旅心

押し差す彼方過ぎし日の
戦の跡も懐かしく
ああ感激の
涙で仰ぐ忠魂碑

黄昏迫る興安の
嶺飛ぶ雲を眺むれば
ああ故郷の
思い出恋し母恋し

希望に燃ゆる若人の
歓喜を乗せて遥々と
ああ北満の
沙胡吹く風に火車は行く
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作詞 若杉雄三郎
作曲 島口駒夫

峠三里を涙で越えりゃ
山の茨が袖を引く
泣いてくれるな愛しの黒馬よ
泣けば手綱がまた緩む

長い苦労をお前にさせて
甲斐性無しだと恨むなよ
せめて別れの名残に黒馬よ
聞いておくれよ馬子唄を

涙払って手綱を取れば
またも目に沁む赤襷
黒馬よ嘶け御国の為だ
無事で手柄を立ててくれ
作詞 角田重勝
作曲 多紀英二

雨が降る降る上海の波止場
濡れて霞んだ街灯り
あの日四馬路で別れた戦友を
乗せて誉れの看護船が出る

雨が降る降る上海の波止場
帰り行く身は寂しかろ
男なりゃこそ御国の為に
遠く遥々来たものを

雨が降る降る上海の波止場
燃える血潮を胸に秘め
立てた手柄を白衣に包む
戦友の笑顔が目に浮かぶ
作詞 戸張もりを
作曲 益田三郎

故郷の便りを懐に
銃を抱き寝の仮の宿
父さん母さん無事な顔
夢に見るのも嬉しいね

明日も残敵匪賊狩り
小癪な奴だよ便衣兵
大した手柄もまだ立てず
肩身の狭い思いする

男召されて来たからは
恥は晒さぬ骨晒す
安居楽土の建設に
北支で一肌脱いでいる

武運あるのかこの身には
掠り傷さえ一つ無い
命捧げた日の丸の
旗と生死を共にする
作詞 河村徹
作曲 田村しげる

火筒の嵐吹き荒れて
屍は山かまた河か
ああ戦いの跡なれば
紅染めし花の色

勇士を救え健気にも
すわ包帯よタンカよと
赤誠尽くす仁愛の
十字の旗よ知るや君

倒れて伏したつわものが
離さぬ銃もただ涙
テントの中で懇ろに
労わり看取る私達

祖国に尽くす身は同じ
黒髪長き撫子が
命を的に純潔を
捧げる愛の赤十字
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